ディープシーロマンの考察

1.はじめに

 ディープシーロマン(曲名:The aim of Nautilus)は、全国の好事家(長門有希調で糞譜面を提案し続ける界隈とも言う)に愛されるディープでシーロマンな楽曲である。ディープシーロマンのキャラがスマブラの追加キャラとして参戦し全国、いや全世界の胸を去来させるほどの、ポップンを代表する楽曲の一つとなっている。また2020年秋にはコロナ禍をガン無視して映画化が決定し、試写会に訪れた女子高生が「せぇのっ、ディープシーロマン最高〜!」とはしゃぐ画像がtwitterで拡散されていたのは記憶に新しい。こっそり日本海溝観光大使にも選ばれたが、誰も深海に訪れることができないためただ独り咽び泣いているという噂もある。そんな躍進を遂げたディープシーロマンはなぜここまで愛されているのか。なぜディープシーなのか。なぜロマンなのか。様々な謎や譜面に込められた想いを紐解くべく、私は考察を進めることにした。

 

2.ディープシーロマンのキャラについて

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お前の母ちゃんシーロマン

 まずディープシーロマンのキャラの曲のキャラについて考察する。ディープシーロマンのキャラの別名は「ソナー」と言う。ソナーは「水中を伝播する音波を用いて、水中・水底の物体に関する情報を得る装置(wikipediaより引用)」であり、潜水艦などに搭載されている。

 ディープシーロマンのキャラはオウムガイと潜水艦を合体させたキャラクターデザインであることは一目でわかるだろう。だからそれにゆかりのあるソナーを冠したのではないか?そう考えるのが妥当だ。ではなぜソナーなのか?潜水艦にまつわる単語ならそのままサブマリンでもミサイルでも攪乱工作でもいいではないか。

 しかしそこには確かに「ソナー」であることの必然性があるのだ。その秘密はディープシーロマンのキャラの曲そのものにある。

 ディープシーロマンのキャラの曲は深海然とした柔らかいシンセサイザー2種類が、同じフレーズを鳴らしていく。いわゆる"輪唱"である。更に深く掘り下げると、2番目のシンセサイザーは1番目のシンセサイザーの"こだま"を模している、とも解釈することができる。

 ところでソナーは超音波を海中で発し、そこで反射した波を捉えることにより物体を探知する仕組みとなっている。そう、このシンセサイザーの輪唱はソナーを模したギミックなのだ。決して輪唱で有名な森のくまさんから連想し、海に溺れるも全てを諦め、ただ深海へと沈下していく熊を表現しているわけではない。そんなダークシーロマンな意図は含まれていない。

 ここで「潜水艦は分かったがなぜオウムガイなんだ?」と疑問に思う読者もいるだろう。深海といえばオウムガイだから、果たしてそうだろうか?その安直な考えはチープシーロマンだ。なぜなら深海には他にも有名な生き物が生息しているからである。シーラカンスリュウグウノツカイ、コンクリートで固められたヒトの死体(通常体内が腐敗しガスが溜まって浮かんできてしまうが、しっかり処置を受けたものはそのまま沈み続ける)など。

 ここでディープシーロマンのキャラの曲の曲名に着目する。「The aim of Nautilus」。ノーチラスと言えば海底二千万里のノーチラス号であるが、この「Nautilus」はラテン語でオウムガイを意味する。ディープシーロマンのキャラがオウムガイなのは、曲名とリンクさせているからなのだ。

 以上より、ディープシーロマンのキャラはディープシーロマンのキャラの曲を味わい、解析して作られた代物であることが分かった。

 

3.ノーチラスの謎

 ではなぜ「Nautilus」なのだろうか。その答えは最近の邦楽から見出すことができる。ノーチラス号が何だか知らないが、なんだか聞き覚えのある単語だなと思った読者もいるに違いない。

 それはヨルシカの楽曲「ノーチラス」だ。

 ディープシーロマンのキャラの曲の曲名はこちらのノーチラスから来ている。その証拠に楽曲「ノーチラス」のサビを引用し、ディープシーロマンのキャラの曲との関連性を暴いていく。

 

4.ヨルシカ「ノーチラス」との関連性

さよならの速さで顔を上げて
いつかやっと夜が明けたら

もう目を覚まして。見て。
寝ぼけまなこの君を何度だって描いているから

  まず「さよならの速さ」について考察する。

 ポップンには様々な"さよなら"を冠する楽曲がある。中でも有名なのがパーキッツの「さよならサンクチュアリ」、私立BEMANI学園軽音部 OBの「Good bye, Summer~さよならは言わない~」の2曲だろう。えっ、クリアトーンとかさよならのうたとかじゃないの?そう思った君はピースピースロマンだ。

  ここで各楽曲の速さことBPMを確認する。「さよならサンクチュアリ」はBPM155、「Good bye, Summer~さよならは言わない~」はBPM165。一方ディープシーロマンのキャラの曲はBPM160となっている。そしてこの2楽曲のBPMの平均を取ると(155+165)÷2=160。なんたる偶然か、いや必然なのだ、ディープシーロマンのキャラの曲のBPMと一致した。「さよならの速さ」とはディープシーロマンのキャラの曲のキャラの曲のBPMのことだったのだ。つまるところこの「さよなら」は、なんやかんやでディープシーロマンのキャラの曲そのものを指していたことも分かる。

 ディープシーロマンのキャラの曲を聴き、悲しみに暮れるディープシーロマンのキャラにもいつか光が射す。深海には光は届かない。が、"希望"という名の光はいつかやっと届く。暗闇に光が差し朝となる。日本海溝の奥底にも人間はやってくるに違いない。だからいつだって待っているよ。そんなメッセージが込められているのだ。

 では「何度だって描いている」とは何を描いているのだろうか。ここでディープシーロマン(EX)の譜面を示す。

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ディープシーロマン(EX)

 何度だって描かれているものが見えるだろう。

 そう、左右交互押しである。13小節目から形を変えつつ執拗に配置されているこの左右交互押しこそが、「寝ぼけまなこの君」なのだ。

 この交互押しのおかげで左右振りが発生する。左右振りは体力を使い神経を使い、寝ぼけた我々を奮い立たせる。寝ぼけてないで日本海溝に来よう。僕は何度も頭に描きながら、思い浮かべながら待ってるよ。何十年先でも何百年先でも…でも4桁年はさすがに厳しいかな…いや3桁年もやっぱ無理…そんな想いが込められている。行くしかない、日本海溝に。技術とお金を積み、日本海溝へ行ってやろうではないか。ついでに沖ノ鳥島で1泊しようかな。そう私は決心した。

 

5.おわりに

 「ノーチラス」は2019年リリース、ディープシーロマンのキャラの曲は2009年リリースの楽曲であり、歌詞になぞらえているという見解と矛盾している。従ってこのような想いは込められていない。譜面は省エネ設計で(Hy)に交互押しを置き、少し調整しただけだろう。日本海溝観光大使にも選ばれていないし映画化された事実もない。スマブラ参戦は画像が多く出回っているため本当だと思われるが、本記事には様々なでたらめが含まれている。

 皆も悪質なデマに踊らされてはならない。ネットには嘘ばかり流れている。情報の取捨選択が的確に求められる厳しい時代になっており、嘘を信じ不利益を被った場合それは"自己責任"となるのだ。

 気をつけてほしい。ディープシーロマンのキャラはいつだって君を狙っている。