辿る君を超えて(EX)の考察

1.はじめに

 レベル50が、伸びない。

 ポッパーとして由々しき事態である。最後に伸ばしたのは半年近く前らしい。今やたまにプレイすると伸びるどころか自己ベストマイナス1000点はザラ、という状況になってしまった。はい従います、と幼少期遊んでいたポピラをフリマサイトで落とす。

 対象年齢6歳以上のこのゲーム、実はとんでもない魔物が潜んでいるのだ。それは「アポロ(クリア動画)」。詳細は省くが、この曲だけ仕様上(ある種のバグである)その辺の50よりも難しくなって(しまって)いるのだ。今でもこの曲をクリアすることに大きな価値があるだろう。小学5年生あたりに2回ほど完走したのは覚えている。あとは実力を戻すだけ。逆餡蜜の判定を掴むだけ。

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Try Again! 

 かくして私はポップンミュージックへ還り、50の中でも有数の良譜面、辿る君を超えて(EX)を考察することにしたのだった。

2.15小節目

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 怒涛の三角押しラッシュ。運指自体はとても単純であるが、非常に密度が濃く見切りづらい。ここで挑戦段階のプレイヤーを間引きに来る。

 だがこの配置、実は回復なのだ。ゲージを稼げるようにならないとクリアは程遠い。それを裏付けるように、

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 おいしいおいしい焼き芋の形状をしているのだ。焼き芋はご存じの通り栄養価が高い。そして晩ご飯におかずとして出てくるとげんなりするぐらい腹に溜まる。ここでゲージを回復してほしい、元気をつけて次の発狂に備えてほしいという想いが込められているのである。

 私の生まれ故郷をはじめとする田舎にはさつま芋を育てている住民が一定数いて、自身で処理しきれなかった芋を我々何も育てていない"消費者"へ大量に送り付けてくる文化がある。そこで私は何の生産性もない人間であることを思い知らされるのだ。

 ところで上に示した画像は何であろうか。焼き芋と思った諸君、その安直な考えはいかがなものだろう。切り口に注目してほしい。夕月夜餅をつく兎のように真っ白である。つまり加熱前の生のさつま芋だ。

 ここでもいわゆる"見切り力"が試されている訳である。とりわけ本譜面には「そう来るとは思わなかった」と思わせられる配置が多数存在する。さつま芋程度が見切れないようでは時期尚早なのだ。

 気をつけてほしい。

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3.20小節目

 

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 グッドニュース!20小節目の一部でナンバープレイスを制作した。頭脳に自信のある諸君は是非とも挑戦して欲しい。仮定法は必要ないぞ。

 

4.38-39小節目

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 我々は幻想の中に生きている。それは自分自身が作り出したものだけではない。他人の幻想、そして具現化したものが"作品"となるのだが、それらに囲まれながら夢を見る。

 無論辿る君を超えてが公開された「ポップンミュージック うさぎと猫と少年の夢」もまた作品である。現実はどこかへ置いておいて、50の次に50が来たぞうわー、音楽にうたと来て音だとなんだそりゃー、花のやくそくをはなくそと略すのをやめろ、Monkshood(H)お願いしますなど、開発チームの幻想に浸るのである。

 だが、

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 次回作は訪れる。本楽曲が解禁されるイベントを最後にMonkshood、コピペを間違えた、うさぎと猫と少年の夢も終わりを迎える。ぶち殺すはいささかトゲがあるが、これで終わりだ、もう終わり終わりという喘ぎが聞こえてこないだろうか。

 そう、38-39小節目は"終わり"のアスキーアートを模していたのである。

 

 

 どうしてなんだ。今回ばかりは真面目な考察を行おうとしたのに。攻略の手立てになるどころかまたいつもの調子に戻ってしまう。私には建設的な考察ができないのか。高難易度譜面について回る"呪い"から抗う術はないのか。

 思えば私はいつもそうだ。楽しいと思うことばかりに向き合い辛いことから逃げてきた。苦手意識のあるソフランは克服しようとしないし、46以下はほとんど詰めてこなかった。常に不真面目でか弱い"追い抜かれる"者だ。

 

 

 ――その安直な考えはチープシーロマンだ。

 はっ!

         ホワァイン…

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 ――それでいいのです。抜きつ抜かれつの駆け引きに勝つことではなくゲームを楽しむことそのもの、それが第一なのです。あなたが楽しいと思う楽しみ方をしなさい。

 いや、だから呪いを解けばよりゲームを楽しむことができて…

 ――そうとは限りません。怠惰になりなさい。刹那的な快楽に貪欲になりなさい。音楽ゲームを楽しむべきという固定観念を、疑いなさい。

今から快楽の話をします。幼稚園に居た頃を思い出してください。あなたが真に楽しんでいたのは指名手配のポスターを見つけること、人の名前を書くこと、科学図鑑のウイルスを覚えることだったでしょう。特に高橋克也菊地直子平田信の3人が載っているオウム真理教のポスターを、信仰していないにも関わらず好んでいたのを私は覚えています。今こそここに戻るべきです。プリミティブな快楽というものを、今一度味わうべきです。

さあ、始めましょう。大人になった今なら正しく書けるのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

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 ポップンはこれからものんびり遊んでいきたいと思います。